11月の旅行先は、当初、中国・江南を予定していた。
目的は、京杭大運河を見ること。
歴史を辿ると、建造物のスケールとそこに費やされた歳月に、ただ気おされる。
紫禁城の太和殿。
初めてその前に立った時、「何だ、これは」と足が止まった。
誰でもが、その圧倒的な迫力に見入ってしまう。
万里の長城。
重機もない時代、あの無数の石を誰がどうやって嶺まで運んだのか。
兵馬俑。
紀元前200年余り。日本が縄文から弥生へと向かう頃、すでにこの精度と規模のものが地中に埋められていた。
そして、次に目指したくなったのが京杭運河だった。
豊かな江南の物資を、約1700キロ離れた北の北京まで運ぶための水路。 始まりは隋の時代。人々の手で掘り進められた。
大陸の川は本来、西から東の海へと流れている。
その流れに逆らい、南北を貫く水路で、杭州から北京へと水を繋いでいった。
元々はツアーを考えていた。
そのツアーで見学時間はたった10分。
早朝を利用して運河をみれないか、AIのGeminiとチャットを重ねるうちに、
個人旅行で杭州から北京まで行けないだろうかとうかんできたのだ。
運河を船で行く航路は無い。
しかし、陸路で拠点を遡ることは出来るようだ。
問題は、中国語も地理感覚もないものが個人で行けるのか・捕まらないか?
中国版の地図アプリ、決済アプリのアリペイ、そして翻訳ツール。
スマートフォンの中にこれらを揃えれば、言葉や手配の壁を越え、杭州から北京へと一人で辿っていけるのではと、考えたのだ。
そして、普通の観光客の場合、軍事施設等の撮影を行わなければまず捕まる事はない。
その結果。
今年11月はインドへツアー旅行。
来年10月は杭州から北京へ、急がず、人の手が生み出した1700キロの水路を遡る個人旅行にした。
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